名城大学理工学部 応用化学科 永田研究室
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ブログ「天白で有機化学やってます。」 ブログ「天白で有機化学やってます。」

窒素ガスの精製塔(7年ぶり3度目)2021/03/30(火)

窒素ガスの精製塔の活性化をやりました。前回は2014年です。「7年ぶり3度目」って、実力微妙な中堅チームの全国大会出場記録みたいで、なんとなく身につまされる思いがないでもないのですが、あまり気にせず進めます。なお、初回は前任地での作業で、たぶん2006年ごろです。

前回、一つ書き忘れていたことがありました。脱水用のモレキュラーシーブスと脱酸素用の R3-11 の前後の詰め物は、グラスウールです。綿とかキムワイプを使うと、温度を上げた時に焦げてしまいます。ご注意ください。

前回の記録に従って、水素ガス 10 mL/min, 窒素ガス 80 mL/min を流しながら 150℃で加熱しました。ところが、R3-11 が緑色のままで、ちっとも黒くなりません。酸化銅が水素で還元されると水が出てくるはずですが、その気配もありません。もしかして、温度の記録を間違えてたのか??

温度を上げていきます。160℃になると、ガラス管の出口のあたり(写真の右下)が若干曇ってきたかも? もう少し温度を上げようと思っても、162℃あたりで頭打ちになります。温度コントローラは 165℃に設定してるんですけどね……

リボンヒーターの上から、ガラス繊維のテープで保温してやることにしました。これも、ガーゼとかタオルで巻くと焦げて発火するかも知れないので、要注意です。

温度を上げていきます。170℃に到達しました。ガラス管の出口には水滴が見え始めています。グラスウールの下のあたりに見えていますが、おわかりでしょうか。

結局 180℃まで上げました。その日の終了時の様子です。上半分は黒くなりました。下半分はまだまだですね。

翌日、最初から 180℃で、7時間ほど処理しました。もうちょいだな。

こんなに時間がかかるんだったら、もっとガスの流量を減らしてもよさそうです。水素 5 mL/min, 窒素 40 mL/min にして、180℃で4時間処理しました。

あれー、あんまり進まんかったな。ガスの流量減らしたらあかんのかな? ただ、下の方は、リボンヒーターがうまく巻けてなくて、温度が十分上がってない可能性もあります。結局、「180℃、14時間」ぐらいは必要な感じですね。ガスの流量も含めて、まだ検証は必要です。

最後に真空引きしながら加熱して、モレキュラーシーブスを活性化させます。150℃で8時間引きました。……と、なんか一部色が戻ってないか?!

写真の左下のコックを閉じて、右下から真空引きしました。おそらく、モレキュラーシーブスに最初から吸着されていた酸素が加熱により脱着されて、それが R3-11 塔の方に入ったため、上の方が再酸化されてしまったのでしょう。また、左下のコックやすり合わせから微量の空気が侵入した可能性も捨て切れません。両側から真空引きするべきでしたね。

もう一本活性化させる精製管があったので、条件を決めてやり直しました。「水素 5 mL/min, 窒素 40 mL/min, 180℃で 14 時間」処理した後、「両側から真空引き、150℃で 8 時間」です。右下は温度が上がりきらなかったようで還元不十分ですが、その他はうまくいきました。次回はこの条件でやりましょう(7年後?)。

Zotero で論文を管理する2021/03/18(木)

今どき、学術論文は PDF で電子化して管理するのが常識でしょう。そもそもほとんどの学術論文は PDF で入手できるようになっています。図書館経由で紙のコピーを取り寄せた場合も、速攻でスキャンして PDF 化するのが普通です。(図書館で PDF が直接取り寄せられないのは、法律上・契約上の理由がいろいろあるようです。)当然のことながら、パソコンのハードディスクの中に PDF が散らかることになります。PDF 管理アプリの導入は必須です。

以前は Papers というアプリを使っていました。これはもともと Mac 専用のアプリです。2008年にバージョン1.7を使い始めて、2011年にバージョン2に移行しました。2016年にバージョン3に移行したのですが、使用感が大きく変わって、「これは馴染めないな」と感じたため、バージョン2に戻しました。しばらくこれで粘ったものの、Mac OS を 10.14 (Mojave) に上げた時に、ついに起動できなくなりました。アプリケーションアイコンに大きなバツ印がついております。

そこで、代替品を探し始めました。できれば、Mac 専用でなくて、Windows でも使えるものがいい。いろいろ情報収集した結果、Zotero を試してみることにしました。Zotero は、オープンソースの論文管理ソフトウェアです。Google 検索してみると「使ってみた」という声が結構見つかります。

画面はこんな様子です。左に並んでいるのは「コレクション」で、自分の関心のあるテーマごとに論文を分類できます。1つの論文を複数のコレクションに入れることもできます。

私が論文管理ソフトウェアに求めている最も重要な機能は、この「テーマごとに分類できる」ということと、あとは年号・雑誌名・著者名が一目でわかることです。どちらもできそうなので、Zotero に移行することにしました。

Papers からの移行はなかなか大変でした。論文の情報を移行させるだけであれば、Papers の方で EndNote 形式などにエキスポートして、Zotero で情報を読み込めば済みます。ところが、これだと肝心のコレクションの情報が移行できません。相当悩んだ結果、Papers のデータベースを直接読んで XML を作り、Zotero のインポート用のプラグインを拡張する、という荒技に出ました。Papers2Zotero として GitHub に置いてありますので、興味のある方はご覧ください。(サポートはできませんので、自己責任でお使いください)

Zotero の PDF ファイルは、storage というフォルダの中にあります。ディレクトリの名前がランダムなので、少し探しにくいのが難点です。これを解決するのが、ZotFile というプラグインです。あらかじめ決めておいたルールに従って、フォルダや PDF ファイルの名称を変更してくれます。ただし、Zotero にインポートしたら自動的に変わるわけではありません。変更したいファイルを選んで、明示的に作業する必要があります。

Papers と比べて不便に感じている点は、PDF がアプリ内で表示できないことと、「補足情報」(Supporting Information) の取り扱いがこなれてないことです。使い方をいろいろ研究していこうと思います。

ディスカッション記録のデジタル化2021/03/11(木)

研究室の学生と、週1回個別ミーティングを行っています。誰に何を言ったかすぐ忘れてしまうので、必ず自分でメモをとって、学生と私で共有するようにしています。指導の記録を残しておくことは、とても大事です。当たり前といえば当たり前のことですが、大学教員になったばかりの頃は、その「当たり前」がちゃんとできていませんでした。その反省をこめて、ディスカッション記録の記録と共有を徹底するように努めています。

とはいっても、これがなかなか半端じゃない量になるわけです。卒研生6名の1年分で、これだけあります。毎年この量の紙が溜まっていったら、すぐに置き場所がなくなってしまいます。

以前、ソニーの Digital Paper DPT-RP1 を買った時に、これを使って PDF 化した記録を見るようにしてみました(「ソニーのDigital Paper DPT-RP1 を買った」)。原本の紙のメモは学生に渡して、スキャンした PDF を手元に残します。しばらくこの運用を続けていたのですが、スキャンした PDF を前回までの PDF と結合して、DPT-RP1 に転送する、という作業が、けっこう負担になることがわかりました。

去年は、Apple Pencil と iPad で、電子ファイルに直接手書きする、という方法を試してみました。iPad 用の GoodReader というアプリを使って、手書きの PDF 文書を作ります。

私が書いているのを学生が「見える」ようにするため、Mac と USB 接続して、iPad を USB カメラとして認識させ、QuickTime Player の「ムービー収録」機能で大型液晶に出すようにしました。

このシステムはまあまあでしたが、いろいろ問題もありました。最大の問題は、ときどき GoodReader が Apple Pencil を認識しなくなること。これが起きるとディスカッションが途中で中断してしまうので、非常に腹立たしい問題です。もう一つの問題は、ファイル管理がどうも不自由なこと。もともと「PDF リーダー」であるアプリを無理やり使っているので、仕方がないとも言えます。他のアプリを探せばよいのですが、ファイル管理が不自由なのは iPad の根本的な問題点です。iPad というのは、情報を「消費する」デバイスであって、「作り出す」デバイスではないんだな、と強く感じます。

そこで、別のシステムを最近立ち上げました。手書きは Surface Pro 7 と Surface Pen, アプリは PowerPoint を使います。Surface は iPad と違って「パソコン」なので、ファイル管理の不自由さはありません。PowerPoint も使い慣れています。左側の縦型の画面は、モバイルモニターです。Surface Dock 2 を使って、本体・大きなモニター・モバイルモニターの3画面を使い、本体とモバイルモニターをミラーリングしています。

縦置きでのミラーリングがなかなか成功しませんでした。このモニターは1920x1080で、USB-C と miniHDMI の入力を持っているのですが、Surface Dock 2 から USB-C で接続しても縦置きだと映りません。USB-C → HDMI の変換器をいくつか試したところ、Anker の「5-in-1 USB ハブ」だけ成功しました。変換器の仕様を比べても、どこが違うのかわかりませんでした。試行錯誤が必要なようです。

Surface Pen の書き心地がどうかな、と思ったのですが、良いと思います。走り書きした文字でも、わりと読みやすいです。筆圧検知に対応しているからでしょうかね。

デジタル化の方法として、しばらくはこのスタイルでやってみようと思っています。

有機化学1の成績2021/02/24(水)

だいぶ遅くなりましたが、後期の定期試験の成績集計を出しておきます。1年生配当の有機化学1です。(前回はこちら

去年と同様に、小テストの点数と成績の間には、明確に相関があります。小テストの点数が低いことは、「理解が不十分である」ことを示しています。「小テストが悪くても、本番で挽回すればいいや」という甘い考えは全く成り立たないことがわかります。小テストの点数が低い人は、普段からちゃんと危機感を持って取り組まないといけないよ、ということですね。

なお、再履修で受講した人の平均点は 84.3 点でした。この人たちの「前回不合格だった時の点」の平均は 50.0 点だったので、30点以上も点数を上げたことになります。「もう一回受講しても受かるんだろうか……」と不安に思っていた人もいたようですが、結果的には大丈夫だったわけです。去年不合格だった人の中には、部活や体調不良などで満足に勉強できなかった人もいるし、一生懸命やっていたのに合格に届かなかった人もいました。それでも、もう一年一生懸命やれば、ちゃんと届くんですよ。今回不合格だった人も、来年以降に再チャレンジしてください。

大学を卒業するというのは、こういう地道な努力を124単位分積み上げていく、ということです。自分の力を信じましょう。

また、授業アンケートに回答してくださったみなさん、ありがとうございました。今回は回答率が少し低くなって、40%台でした。回答してくれた人は、もともと熱心に取り組んでくれていたようで、評価点は高かったのですが、回答しなかった人の評価も含めたらどうなのかな、というところです。「無回答率」がほぼ「授業に関心を持てなかった割合」であると自省して、今後の改善につなげていきたいと思います。

高分子化学1の講義も担当しましたが、これは今年度限りなので、今回は集計していません。

オンライン講演会2020/12/26(土)

先日、理工学部主催・日比科学技術振興財団共催の「応用化学セミナー」を開催しました。

このご時世にも関わらず、オンラインでセミナーを実施するのは初めてです。慣れない準備に手間取って、講師の先生方には少しお手数をおかけしてしまいましたが、なんとか無事に済みました。いちいち出向いていただかなくても、お話をうかがえるというのは、なかなかありがたいものだなと思いました。

ただ、講師の先生としては「反応がわからないのでやりにくい」とのご意見もいただきました。カメラをオンにして聞いているのが進行役のスタッフだけで、あとはみなカメラをオフにしているので、当然そういうことになってしまいます。ここはなかなか難しいですね。

このオンラインセミナーは「聞く」側だったのですが、今日は県内のある高校に、オンラインの出前授業をしました。今度は「話す」側です。

先方の高校で、聴講する生徒を一室に集めていただき、教室のカメラと私のオフィスの1:1接続で実施しました。これだと、生徒の反応はある程度わかります(小さい絵ではありますが、少し口調を変えたり間を置いたりした時に、生徒が顔を上げるのが見える)。現場に行くのとあまり変わらない感触で、話はできたように思います。

私は元来出不精なので、オンラインでやりましょう、と言われるとむしろ嬉しいぐらいです。一方、やはり人と人とのつながりは対面が基本だな、とも思います。「オンラインでつながる」という新しい手段が増えた、ということで、プラスになるようにとらえていきたいですね。

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