医療の安全に関する研究会
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「医療の安全に関する研究会」ニュース
Newsletter No.24
(200410.20発行)
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巻頭言
医療の安全に関する研究会
理事長島田康弘
 今夏は連日の猛暑、相次ぐ台風の上陸と異常気象続きでしたが、皆様にはますますお元気でご活躍中のことと存じます。第9回「医療の安全に関する研究大会」まであと1ヶ月余となりました。今年は12月4日に東京で開催いたします。みなさまぜひスケジュールにお書き込みいただき、ご参加いただけますようお願い申し上げます。
 本年の研究大会実行委員長は村松静子理事です。村松氏は在宅看護研究センター代表で在宅看護教育がご専門です。大会のテーマは「これでいいのか、今の医療」〜施設から在宅へ、医療の安全を見据えて〜です。現在数多くの人々が病院ではなく施設あるいは在宅で医療を受けています。しかし、はたして現況は十分に安全で質の高い医療がなされているのでしょうか?
 プログラムでは、午前中に大会長講演として「安全を生み出すもの〜アクション・スタントマンからの学び」が行われ、続いて特別講演「遷延性意識障害からの目覚め、看護実践に潜む安全の礎」が紙屋克子先生(筑波大学大学院人間総合科学研究科:看護科学系)から行われます。遷延性の意識障害に陥った患者様の長期にわたる看護を通して、看護の技と心が熱く語られます。
 午後からは実情報告&特別発言「施設から在宅へ、今抱える問題を打破するために」が行われます。この中では車椅子の女優であられる萩生田千津子様からの体験談等を中心に問題提起がなされ、続いて1 時間半を全体討論にあてました。医療従事者だけでなく、市民代表の方にも積極的にご参加お願いします。ぜひ当日の討論の結果を、本会からの提言として発表できるような有意義なものにしたいと考えております。それから、当日のお昼前にかねてより募集しておりました、医療の安全に関する川柳募集〜薬剤編の優秀作品の紹介・表彰が行われます。今回は4000 通もの応募の中から選出されます。選者はNHK 学園の大木俊秀先生です。皆様楽しみになさってください。
もくじ
      
巻頭言
大会プログラム
大会長講演要旨 村松静子
特別講演要旨 紙屋克子
実情報告要旨 町屋千鶴子、鈴木紀子
公募「川柳」入選作品発表
理事会議事録
総会議事録 10
16年度役員 11

 
医療の安全に関する研究会 第9回研究大会
テーマ「これでいいのか、今の医療」
〜施設から在宅へ、医療の安全を見据えて〜


介護保険制度が始動して4 年が過ぎ、在宅ケアが拡大する中で、さまざまな問題が見え隠れしている。
それらの状況を、医療の質と安全の面から、改めて客観的に見据えようというのが今大会である。在宅関連従事者の対応、制度の実情等々について、医療の質と安全の切り口で共に考え、提言していこう。

日時2004年12月4日(土) 10:00〜16:30
場所野口英世記念会館(東京都新宿区大京町26番地03 (3357) 0742 )
参加費一般2000円学生1000円
郵便振替(口座番号:00870−7−104540 名義:医療の安全に関する研究会)にて、事前に参加費を
お払い下さい。追って「参加証」をお送り致します。当日参加も可能です。

プログラム

9:30〜      受付

10:00〜10:10 開会の挨拶島田康弘理事長(名古屋大学大学院医学研究科)

10:10〜10:35 大会長講演「安全を生み出すもの〜アクション・スタントマンからの学び」
         スターの黒子役、アクションスタントマンの隠れ技と医療ミスを対比させると?
         村松静子(在宅看護研究センター)
     司会:細井恵子(在宅看護研究センターひだ)

10:35〜11:35 特別講演「遷延性意識障害からの目覚め、看護実践に潜む安全の礎」
         障害によって深い眠りに入った、その人の意識を呼び起こすに不可欠な看護の技と心。
         回復へ向けた長期の闘いを乗り越えるのに必要なことは?
         紙屋克子(筑波大学大学院人間総合科学研究科=看護科学系)
     司会:村松静子(在宅看護研究センター)

1l:35〜12:10 医療の安全に関する川柳募集〜薬剤編優秀作品の紹介・表彰
        4000通もの応募の中から選評される。
     選者: 大木俊秀(NHK学園)

(休憩)

13:10-14:55 実情報告&特別発言 「施設から在宅へ、今抱える問題を打破するために」
         病院の入院短縮、在宅の高度医療化、それらの実情報告を受け、さらに、自ら体験
         した交通事故・親の介護を交えて問題をとらえ、今の心情や考えを訴える。
     実情報告
         町屋千鶴子(東京女子医大第二病院在宅看護エキスパートナース)
         鈴木紀子(日本在宅看護システム有限会社)
     特別発言
         萩生田千津子(車椅子の女優)
     司会:齋藤悦子(共立女子短期大学看護学科)

14:55〜16:25 全体討論会
         今日のテーマ「これでいいのか、今の医療」を語る
           〜施設から在宅へ、医療の安全を見据えて〜
     司会:齋藤悦子(共立女子短期大学看護学科)
         増田聖子(弁護士増田法律事務所)
         篠崎良勝(株式会社ヘルスケア総合政策研究所)

16:25〜16:35 次期大会長挨拶加藤良夫(弁護士南山大学法学部)

16:35〜16:40 閉会の挨拶大会長村松静子

 
大会長講演要旨安全を生み出すもの
〜アクション・スタントマンからの学び〜

在宅看護研究センター
村松静子

 医療技術の進歩に伴い、医療現場には様々な医療機器・器材が数多く導入されている。そのようななかで、在院日数の短縮等も加わり、業務密度が高まり、医療事故や医療ミスが後を絶たない。2004 年8 月19 日付の読売新聞紙上でも、看護師による病院での医療事故が報道されている。「84 歳の男性患者の胃に栄養剤を鼻から注入するチューブが緩んでいたため、看護師が挿入し直した際、誤って肺に挿入してしまった。さらに、挿入後も栄養剤の注入は続けられた。誤挿入の発覚後、酸素吸入などの処置を行ったが、男性患者は次の日の夜、死亡した」。
 在宅においても、同様に、事故につながりそうな状況や明らかに事故につながる状況が増えてきている。
 注射・点滴業務についての“過ち”“やり損じ”だけではない。看護師は、療養者の清潔・排泄・運動・活動・安楽に対して様々な援助を提供することから、転落や転倒、さらには熱傷・骨折など、人体への直接的な損傷も起こり得る。そのため、在宅看護を推進する上では、安全教育が不可欠となっている。
 これまでの報告によると、「新人看護師の知識不足のために生ずる短絡的な思い込みは、印象に残る情報に左右されて修正が困難である。」とされている。また、「若手医師の中には自分の能力をはるかに超える自信を抱くことがあり、そのような若手医師は、どのような緊急事態においても一人で遂行しようとする強引な態度をもち、他者に助力を求めることは無能力や不適格の証拠と見られるのではないかと感じるとき、この強引な遂行傾向がさらに強くなる。」との報告もある。医師は診断のこと、病院のこと、治療のこと、そして患者の取り扱い等について、常に意思決定を求められることになるが、この意思決定の方法についての教育は、非常に難しいものであるとされている。しかし、医療事故の発生は、知識不足に加え、誤った意思決定過程がその発生の鍵と言っても過言ではない。
 医療上の問題は、他の職場で抱える問題とやや異なり、その結果が生命に直結することから、より“劇的な問題”ととらえることができる。それだけに、思考過程に吟味を加えた意思決定が重要なのである。
 医療事故・医療ミスが起こると、その事実が分析され、新たなマニュアルが作成される。そして再び起こると、その上に、さらにまたマニュアルが加えられ、マニュアルが分厚くなっていくのが一般的な医療現場で起こっている現象である。しかし、医療の現場での事故やミスの本質は、作成されるマニュアルの中には表現できないものがある。36 年の間看護実践を遂行し、さまざまな体験を繰り返してきた私は、看護師の知識不足や短絡的な思い込みに加え、慣れ・思い上がりの行動に着目し、看護教育のあり方を考え続けてきた。そんな私の興味を引き、強い関心をもたせたのがアクション・スターの黒子役であるスタントマンであった。一人ひとりが主役でありながら、あくまで黒子としてそれぞれ必死に任務につくスタントマン。
 彼らは一つの手を抜くこともせず、その代役を務める。誤りのない意思決定の方法を身につけている。重要な価値をもつ経験の性質とはどのようなものか。どうすれば安全性を最大限まで広げることができるか。ここでは、彼らの役務を遂行する姿勢から学んだ事柄を、「医療の安全」というキーワードを絡めて述べさせていただく。

 
特別講演要旨
遷延性意識障害からの目覚め、看護実践に潜む安全の礎
筑波大学看護科学系
紙屋克子

 医療行為は心身への医的侵襲と位置づけられ、その侵襲を越える成果が期待されるときのみ、社会的な正当性を有する。一方、看護行為は日常生活の支援を第一義とする活動で、心身への侵襲を許さない。
 意識障害の看護のように、これまでの活動範囲を超えて新しい成果を生み出そうとするとき、患者の安全をどのように護るかは、看護者にとって最優先の課題となる。
 意識障害は、脳血管障害、脳腫瘍、脳挫傷など脳性の一次障害のほかに、循環器・呼吸系疾患、代謝障害、各種の中毒症など、さまざまな原因によって生ずる。原疾患に対する積極的な治療にも拘らず、意識障害が遷延化した患者の効果的な治療と看護の方法については、現在のところ、まだ十分な確立をみていない。
 意識障害の看護は、患者自身が自らの生命と生活をコントロールする能力に欠けているとことから、長い間、生存および療養生活に不可欠な部分を全面的に補完するという方法で行われてきた。このため、特に、医学的に「意識の回復は極めて困難である」と判断された患者については、その看護活動も生命維持や身体機能の調整といった消極的なものにとどまる傾向があった。
 高度医療を支え、患者の安全とQOLを高める視点から看護の現場を見てみると、人員の配置、安全保障のシステム、予算等どれを一つとっても不十分である。経験的知識が安全を保障する前提とならないのであれば、新たな学習が必要である。新しい看護実践の仮説に基づく行為が患者に与える影響、そこから期待される結果がどのように導きだされるかを分析し、評価するためには目的にかなった記録が残されなければならない。さらには新しい看護実践を展開するプロセスにおいて、予測される危険に備え、患者への不利益を回避するためには、知識に加えて技術の獲得が必要である。
 遷延性意識障害患者の看護を通して看護の実践に潜む安全への考え方と取り組みについて私見を述べる。

  
実情報告要旨1 「施設から在宅へ、今抱える問題を打破するために」
病院から在宅への移行に関する現状
東京女子医科大学附属第二病院在宅看護エキスパートナース
町屋千鶴子

 急性期病院から地域・在宅へと医療連携が強化される中、退院支援への取り組みが多くの施設の課題となってきている。その背景には、介護保険の導入、病院の機能分担、在院日数の短縮といった医療環境の変化がある。急性期病院では、治療目的の入院に限定されており在院日数の短縮が加速してきている。3次救急を行い急性期型地域基幹病院として機能する当院の平均在院日数も14.0日である。この在院日数が短縮するとともに「命は助けてもらったが十分治ってないのに退院させられる」といった様々な問題が起こっている。
 在宅への移行においては、単に医療を継続するためのものであっては患者・家族にとって安全・安心できる生活が得られず不幸な結果となる。本来、在宅医療は医療の継続が必要な生活の選択肢の1つであるが、現状は在宅を選択せざるを得ない、在宅を選択したとしても院内・院外の支援体制やその質は充分なものとはいいがたい。
今回、病院から在宅への移行にあたって支援を行った経験から、安全な医療の継続と本人・家族にとって安心できる生活を築いていく過程で問題となったことを述べてみたい。

 事例Iさんは、29歳の女性、両親と3人暮らしである。先天性心疾患があり術後2週間頃、無呼吸発作、心臓停止により脳梗塞後遺症となった。経鼻胃管栄養、血液抗凝固剤内服治療、重度の障害により全て介助の生活となり2年間の入院生活を余儀なくされた。在宅に移行するきっかけは、「状態が安定しているので転院か在宅を考えてはどうか」という医師からの説明であった。家族との面接、院内外関係者(在宅医療、医療相談、病棟医師、看護師、地域の各担当)との話し合いを繰り返し、家族と共に在宅療養に必要な準備を整えて約1ヶ月で外泊から在宅へ移行することとなった。

○ 安心して生活できる場の選択肢は在宅しかない。
 Iさんの生活の場の選択にあたっては、家族の不安な思いに添い医療相談、在宅医療、地域担当といった院内外の関係者からの情報提供、家族間で話し合い決めていく時間がもてるように環境を整えていくことに務めた。
 その結果、「老人ではないこの子が転院できるとこ自体がない。結局、家族の目が行き届き安心して看られる場は在宅しかない。これから、この子にとって一番よいと思う生活を家族で作って行くしかない」と。
 家族と共に在宅への移行を想定した準備を整え、外泊できることを目標に進めることになった。

○ 安全な療養生活を保障できるだけの体制・制度は不安定で、その質も不十分である。
 「今は病院で専門職がやっていることを素人の家族にできるの?」「何度も危険な容態になり、すぐ対応してもらえて生きてこられたが、在宅でも生きていかれる?」といった家族の不安、地域では重度障害と医療処置を要する若年者の介護ができるヘルパーさんがいない、また24時間365日すぐ対応できる体制がない。Iさんにとって在宅療養をどう安全に行うか?予測される容態の変化と緊急時も含めた対応、医療機器・器具の取り扱いや介護に必要な知識・技術の習得、療養環境等の準備を、地域も含めた関係者との打ち合わせと共同により整えられた。それらは、無い中から形作っていくという地域も含めた関係者のパワーと、家族との話し合いを重ねて問題解決していくことが求められる。

○ 新たな療養生活を築いていくには、その過程に沿いつつ家族を支えていく継続的な支援体制と質が鍵となる。
 在宅への移行は、家族はもとより医療者にとっても入院生活では見えなかったことや、考えにも及ばなかった現実に触れることになる。家族の不安な思いに寄り添い1つ1つ乗り越えていく過程に沿う関わりが求められている。
 「本当の心配事は、痛い、辛い、苦しいということを訴えられない子と家族だけで向き合っていくのが怖い。この子が何を言いたいのか?どう感じているのか?2年間も病院に毎日きていて何もこの子のことがわかっていなかった。こんな家族を支えてくれる人がいないと、安心してやっていかれない。」といった不安が強かった。家族の不安な思いに添いながら、どのように本人と接していくか共に考え関わっていくサポート体制について、家族を含めて在宅関係者と話し合いながら整えていった。

事例Kさんは、20歳女性、母親と2人暮らし。原因不明の神経難病による呼吸不全の進行があり人工呼吸器を装着する生活となった。状態が安定し家族がこれからも施設へ通所を続けながら2人で生活していくことを希望したため、在宅人工呼吸療法への支援を目的にA病院からB病院に転院した。
 在宅人工呼吸療法の適応評価がなされ入院期間の予定は20日とされていた。その期間の設定をするのは、在宅医療事情を知らない病院内の医療者となる。その後、医療相談、病棟医師、看護師、在宅医療、役所、通所施設、介護といった院内外の担当が打ち合わせ、各担当が分担して準備を始めたが、家族は人工呼吸器、吸引器、気管カニューレ移動用の車椅子、自宅環境の整え、医療機器類を備えての安全な移動方法といった短期間に多大なエネルギーを費やすこととなる。Kさんは約1ヶ月で在宅へ移行となった。

○ 急性期医療の機能分担は、在宅療養に必要な医療の継続が分断されやすい。
 入院治療で使われている医療機器・機具とその取り扱いは、在宅用と全く異なるため、知識・技術の指導をする医療者にとっても、始めて目にするものや触れるというものが多い。「今までの生活と違うのは、呼吸器がついただけだから、それを覚えればよいだけでしょ。」と家族は受け止めていたが、指導する医療者の不安が強くなった。
 例えば、在宅用の人工呼吸器、吸引器、吸引器はどうやって入手するのかという医師、医療機器の消毒方法を指導しようとした看護師は煮沸用の鍋を自宅から持ってくるように家族に伝えてしまう、人工呼吸器の回路の組み立てが分からず指導できないといったことになる。院内で頻繁に扱われる機会が少ない在宅医療機器類の取り扱いや、その知識・技術指導についても病棟内の医療者だけでは安全に行うことが難しく継続が難しい。

○ 本人・家族の希望に添い地域の在宅環境を築いていくには、安定したシステムとその質がまだまだ足りない。
 家族の希望は、施設への通所を継続することである。つまり、自宅環境と同時に通所施設も安全な療養環境を整えることが求められる。在宅ケアが拡大したとはいえ、まだまだ個々の良心的姿勢に支えられている面が大きい。
 病院内はもとより地域サービス機関、役所といった担当者が打ち合わせ、代替用の在宅医療機器・器具の整えとスタッフ教育、24時間ケアを行う家族へのサポート体制といった環境は整っていないのが当たりまえという現状がある。家族と共に各関係者が1つ1つ形作っていく体制では、担当者に依存する体制となり質に不安定さがある。

まとめ
 病院から在宅・地域への移行が加速する医療システムでは、安全・安心できる在宅医療の継続が分断されやすい現状があることを危惧し解決を考えていく必要がある。
○ 医療の継続が必要になった時、誰もが安心して生活できる場の選択肢は二者択一で在宅に偏っている。
○ 在宅への移行を支援するには、院内外のシステムは必要と考えるが機能していくための質が不十分である。
○ 家族に在宅医療の知識・技術を伝えサービスを導入するだけでは、在宅医療の安全と安心できる療養生活は継続されない。本人・家族と共に考え、新たな生活構造を築くプロセスに沿い継続的・全体的な支援が求められている。
○ 本人・家族の希望する地域の療養環境は、無いところから家族と共に築いていくのが当然といった現状がある。つまり、選択できるだけの在宅サービスはなくその質は不安定である。

  
実情報告要旨2「施設から在宅へ、今抱える問題を打破するために」
日本在宅看護システム有限会社
鈴木紀子
 
 入院期間の短縮が進み、また癌末期の患者に対し、治療が終わり「今なら家に帰ることができる」という医療者側からの勧めもあり医療器材を装着したままでの退院が増えている。医療器材も尿管、胃ろう、吸引などから、IVH 、在宅酸素、PTCD 、腎ろう、人工呼吸器と多岐にわたり、また一人の療養者にいくつもの医療器材が装着されたケースも増えてきている。在宅での使用が増えてきたことで、医療機器は、IVH の点滴注入用ポンプ、人工呼吸器など家族も取り扱いやすいものにかわってきている。
 しかし、実際行われている本人・家族への指導に関しては、退院間近に行われている病院訪問でも「点滴の取り扱いに関しては、今日から指導します」ということも多く、1 週間程度の期間でチェックリストによる指導が殆んどである。
しかし、医療行為に関するトラブルを振り返ると、退院時の指導が終了してからの退院であっても、退院直後からのトラブルが多いと感じる。その内容を見ると、大きく分けて、使用している器材器具のトラブル、技術上のトラブル、予測される事柄への説明不足などが挙げられる。
 例えば取り扱いやすいからと導入した点滴注入用ポンプが対象者にあっているものかどうか、また退院後の生活を踏まえた輸液時間の設定・方法の設定の検討がなされていたのか疑問を感じるケース、退院後ポートの縫合部の再縫合が必要だったケースや、新しい医療行為を導入したままでの退院で、退院後早期に予測されるトラブルへの説明が本人・家族に十分になされず、また在宅で関わる医療者との連携も十分ではなかったケースもある。
 何かあれば病院受診で対応する、また問題があれば入院でというのではなく、安全・安心が確保された退院、在宅での生活が迎えられるよう、実情報告をさせていただきます。


 
薬の安全に関する「川柳」公募入賞作品決定
「医療の安全に関する研究会」では、医療の安全に対する関心を高め、会の広報などにも使用することを目的に医療の安全に関する川柳を一般から広く募集することを企画しました。
第一回の今回は「薬の安全性」についてをテーマとして募集したところ、五月三十一日の締め切りまでに全国から四千通を越える応募があり、NHK学園の大木俊秀先生に選考を依頼して特選を含む秀作・佳作三十三作品を選出して頂きました。
この候補作品の中から九月二十八日の選考会で最優秀作品一句(賞金十万円)及び佳作八句(賞金一万円)を決定しました。十二月四日の研究大会で選者の大木俊秀先生から選考の経過や作品の選評発表があり、受賞者の紹介と表彰を行うことになっています。
選ばれた最優秀作品及びノミネートされた作品は以下の通りです。

最優秀賞句:医者の顔立て新薬へ体張る (東京都 久保清美)

優秀賞句: 
        薬効の死角にひそむハイリスク (東京都 安達秀幸)
        間違えば凶器に変わる処方せん (宮崎県 轟志津恵)
        投薬口同姓名がゴッつんこ (札幌市 飯島 隆)
        おばあちゃん今夜のおかずくすりなの (大阪市 武田泰彦)
        副作用ばかりで作用聞き漏らす (静岡市 内田三夫)
        薬飲み発疹出れば塗り薬 (香川県 高畑ゆりこ)
        納得とともに薬を嚥下する(東京都 森岡智文)
        患者との対話も弾む処方箋 (群馬県 金井健治)

ノミネート作品:
        診さつがカップめんより早く出来 (中田 尚)
        患者の目見ずにパソコン見てる医者 (日比野銘子)
        糖衣着て薬に化けてる鬼がいる (北村冨士子)
        医師ナース患者と薬カルテット (山田佳代子)
        医は愛で患者はみんな家族です (鳥居和夫)
        まな板の鯉はお医者に身を任せ (山脇正邦)
        飲み方を噛んで含める薬剤師 (小林秀夫)
        年名前ハッキリ言って手術台 (丸山宣久)
        縫合前お忘れ物にご注意を (石井正人)
        薬局が混んで説明大ざっぱ (海老原順子)
        病名をしつこく聞いて医者怒る (青柳 毅)
        オブラートに包まないでね副作用 (冨山栄子)
        一回の医療ミスでも死んじゃうよ (中谷純子)
        孫ほどの医師へ信頼寄せて老い (田口三郎)
        命には予備も付録もありません (井上英治)
        おくすりのチームプレーにぬかりなし (長根 尉)
        納得を医師と患者の真ん中に (水口達彦)
        薬との付き合い上手生き上手 (清水ひろし)
        お互いの薬確かめ合い夫婦 (平野さちを)
        怖くなるだんだん強くなる薬 (高城せつこ)
        薬飲むためには疑問全て吐く (木下 務)
        百歳がのぞくくすりのマニフェスト (鈴木久枝)
        地球より重い命を預けます (神馬せつを)
        薬飲む医師の笑顔を思いつつ (緑川美木夫)
医療の安全に関する研究会理事会議事録

日時:平成16年6月19日午後1時から
場所:名古屋大学医学部附属病院大会議室
出席者:島田康弘、加藤良夫、齋藤悦子、酒井順哉、堤  寛、増田聖子、吉田嘉宏、池田卓也、村松静子、山内桂子、寺町教詞
オブザーバー:細井恵子
(定足数を満たしていることを確認)

1 決算及び予算
齋藤常任理事から決算報告
寺町監事から監査報告
加藤事務局長から西監事の予算執行のない費目についての指摘を紹介
齋藤常任理事から予算案提示
寺町監事の提案を受けて、議論し10周年記念事業準備費を40万円とする
村松理事から活動を継続するためには、人件費はしかるべく支出するべきではないかという指摘があり、池田理事からも同趣旨の意見があり、議論の上、事務委託費を20万円とする
池田理事から、研究会の今後のあり方に向けての検討していただきたいとの意見
以上2点を修正の上、予算案承認

2 役員案
新役員候補の紹介
役員案の通り承認

3 分科会報告
分科会活動はほとんどなされていない現状が報告された

4 第9回研究大会
村松大会長からプログラム案を紹介
町屋20分報告、鈴木20分報告、
実情報告という名称にする
これらを聞いて萩生田60分(講演的、医療、介護を受けている立場で)特別発言という名称にする
会場費22万、設備費など15万5000円講演料、交通費、などが必要のため、財団から70万円の助成金を受給の手続きをしている
受給が可となれば、ちらしに協賛と記載する
野口記念館( JR 信濃町駅の近く)は250名収容
昼食をとるところがないので、お弁当の手配が必要
報告と指定発言をうけて、テーマに沿って全体討論を実施する
広告は、新聞、HPを考慮
チラシは、7月20日までに原稿を完成させていただく
島田理事長の冒頭挨拶は5分にする大会長講演25分
川柳の表彰には30分の時間をとるということで、全体の時間配分修正
選者名をいれてもいいのか、確認の上、ちらし作成。
「医療の安全に関する川柳(薬剤編)募集」など、ちらしに記載を補充する
取材に関しても検討する

5 今後の研究会のあり方とリーフレットの内容
市民が参加しやすい内容、名称、NPO化
わかりやすい、これまでの活動を紹介するようなリーフレットの作成
総会の持ち方も再考する

6 10周年記念大会
期日については、会場確保の関係から、常任理事会に一任
大会長は、加藤事務局長
医療事故の再発防止と被害救済を大きなテーマにして、シンポは、院内事故調査委員会という方向
詳細は常任理事会一任

7 理事の専門領域(役員欄の順から)
麻酔、心理学、脳神経外科、産婦人科、介護、歯科、市民活動、救急、
公衆衛生・看護、在宅、法律家(民法)、心理学、臨床工学技士、公衆衛生
医療の安全に関する研究会総会議事録

日時:平成16年6月19日午後3時から
場所:名古屋大学医学部附属病院大会議室
出席者:島田康弘、加藤良夫、齋藤悦子、酒井順哉、増田聖子、吉田嘉宏、池田卓也、村松静子、山内桂子、寺町教詞、細井恵子、天野 寛、品田友子
(309名委任状90名で定足数を満たしていることを確認)

1 決算及び予算
齋藤常任理事から決算報告
寺町監事から監査報告
齋藤常任理事から予算案(10周年記念事業準備費を40万円、事務委託費を20万円、
予備費は324762円とする)提案され、承認

2 役員案
新役員候補の紹介し、役員案の通り承認

3 分科会報告
分科会活動はほとんどなされていない現状が報告された

4 第9回研究大会
村松大会長からプログラムにもとづいて報告
川柳の表彰は、11時30分からに変更
13時からのセッション名を「実情報告と特別発言」に変更
品田氏から、具体的に提言に結びつくような事柄がないかという意見をうけ、
さらに検討することとなる

5 今後の研究会のあり方について、常任理事会において検討する

6 10周年記念大会
期日については、会場確保の関係から、常任理事会に一任
大会長は、加藤事務局長
医療事故の再発防止と被害救済を大きなテーマにして、シンポは、
院内事故調査委員会という方向で検討をすすめることで詳細は
常任理事会一任
平成16 年度医療の安全に関する研究会役員

理事長:島田康弘 名古屋大学大学院医学系研究科教授

常任理事・事務局長:加藤良夫弁護士・南山大学法学部教授

常任理事:齋藤悦子 共立女子学園共立女子短期大学教授
常任理事:酒井順哉 名城大学大学院都市情報学研究科教授
常任理事/安全教育:堤  寛 藤田保健衛生大学医学部第一病理学教授
常任理事:増田聖子 弁護士
常任理事:松葉和久 名城大学薬学部教授
常任理事:宮治 眞 名古屋市立大学大学院医学研究科助教授
常任理事:吉田嘉宏 医療を良くする会代表世話人

理事/麻酔:芦沢直文 横浜逓信病院院長
理事:天野 寛 愛知新城大谷大学社会福祉学部助教授
理事/医療器具:池田卓也 医療法人生長会常任顧問
理事/コスト人員制度:品川信良 弘前大学名誉教授
理事:篠崎良勝 株式会社ヘルスケア総合政策研究所主席研究員
理事/歯科:鈴木俊夫 鈴木歯科医院院長
理事:出元明美 陣痛促進剤による被害を考える会代表
理事/救急:野口 宏 愛知医科大学教授
理事藤原奈佳子 名古屋市立大学看護学部助教授
理事/在宅医療・看護:村松静子 在宅看護研究センター代表
理事:森島昭夫 地球環境戦略研究機関理事長
理事:山内桂子 東京海上メディカルサービス株式会社
監事:寺町教詞 東海医療工学専門学校非常勤講師
監事:西 三郎 株式会社ヘルスケア総合政策研究所理事長





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