医療の安全に関する研究会
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「医療の安全に関する研究会」ニュース
Newsletter No.15
(2000.8.15 発行)

巻頭言
常任理事 齊藤悦子

立秋とは申しましても暑い毎日が続いております。会員の皆様いかがお過ごしでしょうか。
最近わたくしが気になっておりますことを述べさせていただきます。
医療は、どのような場合も患者さんを中心に機能しなければなりません。このことは医療従事者は誰もが了解していることです。そして看護の原則は、患者さんの苦痛の緩和と安全・安楽を保障することにあります。また近年インフォームドコンセントやクオリティオブライフなどの考え方も浸透してきており医療は内容的に充実したかにみえます。しかし、このような状況下にありながら医療事故については昨年からいくつか報道されています。

1999年 1月11日 手術患者とり違え。
1999年 2月11日 点滴ルートに消毒液「ヒビテングリコネート」注入。
1999年11月25日 心臓手術中投薬すべき薬剤を調合しないまま投与。
2000年 2月28日人工呼吸器の加湿器に水と間違え消毒用エタノールを注入。

このような事故の後には、それを教訓に、事故防止の取り組みの報告書や、研究結果などの情報が公開されています。これらの情報を収集し検討する必要があると思います。医療従事者はもちろん医療を受ける側の患者さん、市民の皆さんも一緒になって共有していくことが大切だと思います。

さて、6月24日の理事会・総会では、本年の第5回研究大会(12月9日)について議論が進みました。昨年12月の大阪での第4回大会のテーマは「在宅での医療・看護・介護の安全を目指して」であり、盛会でとても嬉しかったことを思い出します。大会当日のアンケートの結果から、テーマへの感心の高いことが窺えました。そこで本年も昨年と同様のテーマでさらに内容の充実と工夫をすべく役員一同準備に取り組んでおります。

本年4月より本テーマにも関係の深い介護保険がスタートしました。介護保険の導入は、社会福祉の世界にも措置制度の「行政処分」的考えから「契約」の時代に突入したことになります。また在宅中心の介護が進められていますが介護の安全は守られているのでしょうか。介護の事故に注目してみようと思います。「民間病院問題研究所」から出された調査の結果の一部を紹介します。ホームヘルパー、特別養護老人ホーム、老人保健施設で働いている介護職員185人を対象に「要介護者にけがをされたことの経験の有無」では、21%、5人に1人は経験があると回答しています。次に防止するために必要なことを聞いたところ、「技術の向上」が53%と最も多く、ついで「研修の充実」、「同僚との交流・情報交換」の順となっています。このことは、事故防止・・即ち介護の質を充実させることにあるといえます。さらに在宅介護の現場では、具体的な日常業務において様々な問題が出てきています。たとえば、褥創のガーゼ交換や軟膏の塗布、浣腸など医療行為ではあるが、介護している家族は日常的に行っている。しかしホームヘルパーは業務としてはできないという現状です。ホームヘルパーの業務を拡大していくのか?それとも看護職が行う範囲であると明確にすべきなのか?やっていいとか悪いとかは別にして、現実には目の前でやらざるをえない状況でやっている・・・・のです。

医療と福祉がどのように連携していくのか、そして看護と介護がどこまで協同し合って進めていくのか、それぞれの業務範囲と職務権限について要介護者の安全の視点から第5回研究大会では本音で討論を深めることができたらいいと思います。多数のご参加をよろしくお願いします。

 
医療の安全に関する研究会 理事会議事録

日 時 2000年6月24日(土) 午後1時〜3時

場 所 名古屋市立大学医学部本部棟4階講堂

出席者 島田康弘、加藤良夫、松葉和久、齊藤悦子、吉田嘉宏、
    増田聖子、堤 寛、池田卓也、酒井順哉、鈴木俊夫、宮治真

委任状出席 福間誠之、野口宏、的場梁次、村松静子、森島昭夫、山内隆久、
      高嶋妙子、土屋文人、石井トク、木村 繁、芦沢直文、出元明美

規約規定の定足数を満たしていることを確認した。

1 平成11年度(1999.4.1〜2000.3.31)決算
  齊藤常任理事より、決算報告。
  監査報告書席上回覧のうえ承認

2 平成12年度(2000.4.1〜2001.3.31)
    齊藤常任理事より、予算案提示。 

昨年度執行しなかった事務委託費を本年度に予算計上して執行することとし、事務委託費を20万円、予備費を187万2842円に修正して承認。

3 役員改選案 
別紙の通り、総会に提案することを承認。
(高嶋妙子、石井トク、木村繁理事、勝又監事をのぞき再任。
監事選任については、理事長一任)

4 会員数の増加などのため次の通りの会則改正案を出席理事全員
   (出席11名、委任状出席12名、)理事総数27名)が賛成。
会則 第13条2項各会議は当該構成員の4分の1以上の出席をもって成立する。ただし、総会については、当該構成員の10分の1以上の出席をもって成立する。

5 第5回研究大会について
宮治実行委員長から別紙にもとづいて報告。
別紙の内容で準備を進める。
分科会報告の司会は吉田常任理事、報告する分科会は、ME機器、医療廃棄物、歯科の各分科会とする。

(議事録作成者 増田聖子)

 
医療の安全に関する研究会 総会議事録

日 時 2000年6月24日(土) 午後3時〜4時

場 所 名古屋市立大学医学部本部棟4階講堂

出席者 島田康弘、加藤良夫、松葉和久、齊藤悦子、吉田嘉宏、増田聖子、
    堤 寛、池田卓也、酒井順哉、鈴木俊夫、宮治真

委任状出席 122名

規約規定の定足数を満たしていることを確認した。

1 平成11年度(1999.4.1〜2000.3.31)決算。
齊藤常任理事より決算報告。
監査報告書席上回覧のうえ承認。

2 平成12年(2000.4.1〜2001.3.31)予算案。
齊藤常任理事より予算案提示、承認。

3 別紙の通り役員選出
但し監事については、数名の候補者を上げたうえで理事長に一任することとした。

4 会則改正
会員数の増加などのため次の通りの会則改正案を出席会員全員(出席11名、委任状出席122名、現会員数386名)が同意、よって改正成立。
会則 第13条2項
各会議は当該構成員の4分の1以上の出席をもって成立する。ただし、総会については、当該構成員の10分の1以上の出席をもって成立する。

5 第5回研究大会について
宮治実行委員長から報告。
準備を進める。
分科会報告の司会は吉田理事、報告分科会は、ME機器、医療廃棄物、歯科の各分科会とする。

(議事録作成者 増田聖子)

 
平成12年度医療の安全に関する研究会予算案

(自平成12年4月1日 至平成13年3月31日)

現会員数 386名

内平成11年度会費未入金111名(275名入金済み)

  科目          金額        適用

前年度繰越金  3,102,842   

収  会費収入 600,000   300人x2000円

入  参加費  220,000  100人x2000円・20人×1000円

   合計 3,922,842

    印刷費 350,000  Newsletter、研究大会ちらし

    郵送料 300,000  Newsletter、研究大会案内

     事務費 50,000  ラベル費用

支   電話料 100,000

   研究大会費 350,000 研究大会講師謝礼金+看板制作料・会場費

    人件費 100,000  研究大会受付事務など+旅費

出   分科会費 550,000  1分科会5万円

     会議費 50,000  理事会費用

  事務委託費 200,000

   予備費 1,872,842

合計 3,922,842

 
平成12年度医療の安全に関する研究会役員名簿

役員   氏名    勤務先

理事長 島田康弘 名古屋大学医学部

事務局長 加藤良夫 医療事故情報センター理事長

常任理事 齊藤悦子 藤田保健衛生大学衛生学部

常任理事 増田聖子 増田法律事務所

常任理事 松葉和久 名城大学薬学部

常任理事 吉田嘉宏 医療を良くする会

常任理事 宮治 眞 名古屋市立病院医療情報部

理事/麻酔 芦沢直文 東京逓信病院

理事/医療器具 池田卓也 生長会 府中病院

理事 近藤郁男 医療過誤原告の会

理事 酒井順哉 名城大学都市情報学部教授

理事/コスト人員制度 品川信良 弘前大学名誉教授

理事/歯科 鈴木俊夫 鈴木歯科医院

理事 土屋文人 東大病院薬剤部客員研究員

理事/安全教育 堤  寛 東海大学医学部病態診断系病理学部

理事 出元明美 陣痛促進剤による被害を考える会

理事 中垣晴男 愛知学院大学歯学部

理事/救急 野口 宏 愛知医科大学高度救命救急センター

理事/医療の質 福間誠之 明石市市立市民病院

理事 的場梁次 大阪大学医学部

理事/在宅 村松静子 在宅看護研究センター

理事 森島昭夫 上智大学法学部

理事 山内隆久 北九州大学文学部人間関係学科

理事/医療廃棄物 渡辺 昇 医療廃棄物研究所長

 
投稿 ある日の老人会で
「医療を良くする会世話人」 常任理事 吉田 嘉宏

これだけ連日のように、病院での医療ミスや医療事故のニュースが報道されると、老人会の集まりでも話題にならない訳がない。

「病院に行くの怖いねぇ」

「薬間違えないでねって看護婦さんに言ってやるのよ」「うるさい婆さんだと思われちゃうよ」

「だってこっちは命がかかってるんだからね」

「事故が起きた病院のお医者さんや看護婦さんは、自 分が病気になった時、自分の勤めてる病院で手術し たり、入院したりするだろうかね?」

「やっぱり怖いと思うだろうかしら?」

「先生も看護婦さんも、いっぺん自分の病院で普通の 患者と同じように大部屋で入院生活をしてみりゃいい のよ。1週間ぐらい。そうすりゃ患者の気持ちがわかる んだよ。事故も減ると思うよ」

「案外、自分や家族の時は別の病院へ入院するんじゃないの?」

「お医者さんは自分の病院の他の先生の腕の良し悪し を知ってるだろうし、専門の先生の知り合いもあるだろ うから、いいよね」

「そういうの、私たちにも教えてくれればいいのに」

 ご老人たちの会話は留まること知らず、えんえんと続く。やがてそれぞれの体験談になり、独断と偏見も交えて不平、不満が飛び交う。これがまたお互いの情報交換でもあり、それぞれに自分に合った結論に至って話題が移って行くのが常である。

私が住む団地は、およそ900所帯が入居していて、そのうち65歳以上の高齢者は150名ほどいる。毎月1回集まってお互い励まし合い、話をしたり、聞いたりしながら助け合って自立の生活を維持していこうと「さわやかクラブ」と名付けた老人会を組織している。私は会の世話役を引き受けてから毎回の例会で医療に関する話題を提供し続けて来た。薬の話、カルテ開示の話、インフォームド・コンセントの話、セカンドオピニオンの話、ホスピスの話などなど。最近は介護保険の話が中心になっている。老健や特養、ケアハウスや、ホスピスの見学会も行って来た。出来れば団地内で最後まで自立して暮らせるような自助グループへと成長することを念願している。今年の大会には皆さんを是非誘いたいと考えている。

 
医療の安全に関する研究会 第5回研究大会 予告

日 時  2000年12月9日(土)午前11時より

場 所  名古屋市立大学病院 5F 大ホール
     名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1電話 
     052−851−5511(内線8663)

参加費   一般 2,000円 学生 1,000円

どなたでも自由に参加できます。

郵便振替(口座番号00870 7−104540名義 医療の安全に関する研究会)に、参加費をお払い込み下さい。追って参加証をお送りします。当日参加も可能です。

    プログラム

11:00〜11:05
    開会の挨拶 島田康弘理事長(名古屋大学医学部)

11:05〜11:45
    分科会報告 司会 吉田嘉宏 (医療を良くする会)
    1.医療器具・ME機器の安全に関する分科会
    2.医療廃棄物の安全に関する分科会
    3.歯科医療の安全に関する分科会
    4.その他

13:00〜13:30
    大会長講演 宮治 眞(名古屋市立大学医学部)
    司会 的場梁次 (大阪大学医学部)
    「在宅療養(医療・看護・介護)における職能役割はどうあるべきか」

13:30〜14:20
    特別講演 高智英太郎 (健康保険組合連合会医療部次長)
    司会 加藤良夫 (弁護士)
    「在宅療養(医療・看護・介護)における海外の実態」

    休 憩

14:30〜17:00 シンポジウム
    「在宅における医療行為と看護行為と介護行為を巡って」
    司会 松葉和久 (名城大学薬学部)
    齊藤悦子 (藤田保健衛生大学衛生学部)

    シンポジスト      
    (1)篠崎良勝(国際医療企画:民間病院問題研究所)
    (2)畑 恒士 (あいち診療所 野並)
    (3)増田聖子 (弁護士)
    (4)村松静子 (在宅看護研究センター)

17:00〜17:30
    島田康弘理事長による総括

17:30〜17:35
    堤 寛(東海大学医学部)次期大会長 挨拶

17:35〜17:40
    閉会の辞    宮治 眞 大会長

 
医療の安全に関する研究会「安全教育分科会」講演会
「ドイツ医療施設における感染防止対策の現状と課題」

招待演者 Peter Heeg 教授 (ドイツ、チュービンゲン大学)

日 時:10月14日(土):午後2時〜5時

会 場:愛知県産業貿易館本館 第2教室(定員60名)
    〒460−0002 名古屋市中区丸の内3−1−6
    電話052−231−6351

交 通:地下鉄桜通線「丸の内」駅下車10分、
    又は名城線「市役所」駅下車徒歩10分 
    JR名古屋駅から市バスで10分、「外堀町本町」下車すぐ

  プログラム

13:30      受付開始

14:00〜14:10  
   堤  寛(東海大学医学部病態診断系病理学部門)
    『特別講演会を始めるにあたって』

14:10〜14:40  
   向井征二(オービス環境マネジメント研究所:EMIL)
   『最近の感染事故に思うこと
   〜リスクマネジメントとリスクコミュニケーションについて〜』

14:50〜16:30
   Peter Heeg教授(ドイツ、チュービンゲン大学院内感染対策室)
   『ドイツ医療施設における感染防止対策の現状と課題』通訳つき)

16:30〜17:00 質疑応答

主 催 : 医療の安全に関する研究会「安全教育分科会」(担当理事 堤寛)
連絡先 : 向井征二(オービス環境マネジメント研究所 : EMIL)
名古屋市東区1−25−1 ニッシンビル630
電話 052−933−580 FAX 052−933−5382

 Peter Heeg教授は、10月15日〜20日に名古屋国際会議場で開催される第23回国際病理学会におけるシンポジウムへ参加のために来日されます。ドイツにおける院内感染防止対策や医療廃棄物対策のオピニオンリーダーとして高名な方です。従って、たいへん価値のある内容の講演が期待されます。とくに名古屋地区の会員のみなさま、ぜひ奮ってご参加ください。





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