もし富士山が噴火したら!?


今、富士山が噴火するのではないかと不安の声が多く上がっています。
それには、富士五湖の水位の低下、度重なる地震などが予兆として起こっているからです。
富士山が噴火したとき、どうすればいいか。対策するために富士山のことを知る必要があります。



富士山噴火の歴史

富士山は記録されているもので過去3回大きな噴火がありました。
800~02年の延暦(えんりゃく)噴火、864~66年の貞観(じょうがん)噴火、
1707年の宝永噴火が富士山の三大噴火と呼ばれています。

延暦噴火

延暦噴火は『日本紀略』『富士山記』などの古い文献にその記事が書かれており、噴火は
平安時代の延暦十九年、三月から四月(800年4月~5月)までほぼひと月続き、東側斜面に
側火口の「西小富士」を形成しました。また、降灰が雨のように降り当時の東海道だった
足柄路が通行不能になりました。

貞観噴火

この噴火は、山頂から北西に約10km離れた斜面で発生した大規模な割れ目噴火で、
溶岩が剗の海 / 剗海(せのうみ)まで流れだしこの湖の大部分を埋め、現在の富士五湖である
西湖(さいこ)と精進湖(しょうじこ)を作りました。文献記録による富士山噴火の中では
最大規模の噴火とも言われています。

宝永噴火

歴史上最後の噴火とされている宝永噴火は、江戸時代中期に富士山山腹から噴火し、
降灰は2年以上続き、江戸にまでその灰は届きました。その結果、冷夏など二次被害
多くもたらしました。

富士山は過去2000年間で小規模なものを含めおよそ75回30年に1回のペースで噴火活動を
行っていますが、1707年の宝永噴火以降は小規模な噴火すらなく、マグマを蓄え続けている
と考えられ、次の噴火は大きくなると考える研究者もいます。



富士山噴火の影響


広域被害をもたらす火山の噴火は主に、噴火現象とその他の火山現象に分けられます。

噴火現象
噴火現象とは、地下のマグマの活動により地下の物質が地表に噴出する現象を
いい、マグマが噴出する噴火(ストロンボリ式噴火、ブルカノ式噴火等)、
高圧の水蒸気や火山ガスが地表を吹き飛ばし噴出する水蒸気爆発、上昇してきた  
マグマが海水や地下水と接触して引き起こすマグマ水蒸気爆発に分けられます。

噴石・火山弾
噴火の際、火口から噴き出される、溶岩や岩石は風の影響を受けずに短時間
で落下し、建物の屋根を打ち破るほどの破壊力を持っています。被害は
火口周辺の概ね2~4km以内に限られますが、多くの死傷者を出しています。




火砕流
高温のガスと火山灰・軽石等が山腹をなだれ下る現象を火砕流といいます。
流れ下るスピードは100km/hを超え、非常に危険です。

火山泥流
噴火による火口湖の決壊や融雪などにより発生した泥水が流れ下る現象です。
富士山は近くに富士五湖があるため、この火山泥流の被害もあると思われます。

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被害の予想は内閣府の検討会や、地方自治体の富士山ハザードマップ検討委員会等がしており
富士山ハザードマップ検討委員会では、溶岩流や灰など火砕物の総噴出量が1億立方メートル
(東京ドーム約80杯分)~数10億立方メートル規模の噴火を大規模噴火と定義しており、火山地域
では、溶岩流や火砕流などによる被害が予想されるほか、東京都都心部でも数センチ以上降灰する
可能性があります。

火山灰が堆積すると、車両の通行、航空機や鉄道の運行に支障が生じ、農林畜産業にも
甚大な被害
が見込まれます。また降灰後、雨が降ると雨を吸った火山灰の重みで家屋の倒壊の
危険
もあり、避難が必要と考えられます。

溶岩流の想定流域、火山灰の予想降灰図が作られています。


溶岩流の想定流域    降灰予想図
説明図



避難に関して


国や静岡県、山梨県、神奈川県などで構成する富士山火山防災対策協議会が今年5月に
甲府市で開かれ、富士山噴火時に溶岩流が流れた場合の避難者数は最多で13万人に上る
という推計が出されました。また、火口のできる位置と流れ方によって避難対象となる地域が
異なるため、17パターンの避難計画を作成し、避難対象となる住民は合計75万人にも上る
ことがわかりました。

溶岩流の到達の恐れのある地域は直ちに避難が必要です。避難は富士山からできるだけ遠ざかる
ようにしますが、電車等の交通機関は早い段階で運転を見合わせ高速道路や市街地では大渋滞
の発生
が予想されるため、車を使わずに避難しなければならない事態も考えられます。

火山灰発生後は、さらに広範囲にわたる交通機関の麻痺がおこります。避難の際は焦らず
東京、神奈川方面ではなく北の山梨方面か、西の愛知方面へ逃げるようにしましょう。




セントへレンズ山の噴火


セントヘレンズ山は、アメリカ合衆国のワシントン州スカマニア郡にある活火山であり、、1980年5月18日に大噴火を
起こしました。その噴火により、多くの死者と経済への影響が出ました。
そして、美しいセントへレンズ山自体も、噴火により山頂部分が大きくへこみ、山の標高は2,950mから2,550mに減少しました。

富士山の噴火も、人的、経済的損害に加え、富士山自体のシンボル的な外観が失われてしまう恐れもあります。

噴火前のセントへレンズ山    噴火後のセントへレンズ山
説明図